土地評価額にはいくつか種類があるのをご存知でしょうか?固定資産税を計算するための評価額や相続税を計算するための評価額、売却するための評価額など、とにかく多様です。
実勢価格 | 固定資産税評価額 | 相続税路線価 | 地価公示価格 | |
基準日 | – | 1月1日(3年毎) | 毎年1月1日 | 毎年1月1日 |
公表日 | – | 4月頃 | 7月 | 3月 |
調査主 | – | 市町村 | 国税庁 | 国土交通省 |
内容 | 実際に不動産が売買された価格 | 固定資産税や登録免許税、不動産取得税計算に用いる価額 | 相続税や贈与税計算に用いる価格 | 土地取引価格を決める公的な指標 |
評価目安 | – | 70% | 80% | 100% |
ここでは、色々な土地評価額の調べ方をご紹介します。ご自身が知りたい土地評価額が何で、どのように調べられるのか、見ていきましょう。
土地価格の調べ方
「1物4価」という言葉を聞いたことはありますか?
1物4価とは1つの土地については大きく分けて4種類の価格があるという意味です。4種類の価格とは実勢価格、固定資産税価格、相続税路線価、地価公示価格のことをいいます。
これら4種類の価格は、税金に関する土地価格と売却に関する土地価格の2つに分けられます。
税金に関する土地価格とは
税金に関する土地価格には相続税路線価と固定資産税評価額があります。
相続税路線価とは相続税、贈与税の税額計算で土地の価格を定めるものです。相続税路線価は国税庁ホームページの「路線価図・評価倍率表」で見ることができます。
固定資産税評価額とは固定資産税、都市計画税など、土地にかかる税金の計算の基礎となる価格をいいます。固定資産税評価額は地価公示価格の70%とされています。
売却に関する土地価格とは
売却に関する土地価格には地価公示価格と実勢価格があります。
地価公示価格は土地取引の価格審査を適正・円滑に進めるために土地の適正な価格と知るための指標で、国土交通省のwebサイト「土地総合情報システム」で調べることができます。
実勢価格とは、実際に市場で売買される取引価格のことであり、過去の取引実績のことを指すのが一般的です。
土地売却額(土地評価額)の調査方法は?
土地がいくらで売却できるか知りたい場合は、4種類の価格に基づいてそれぞれの調べ方があります。なお、1物4価に含まれていませんが、売却額も土地評価額と呼ばれることがあります。
- 実勢価格を参考にする方法
- 固定資産税評価額を参考にする方法
- 相続税路線価を参考にする方法
- 地価公示価格を参考にする方法
実勢価格を参考にする方法
過去の取引事例を参考にします。
過去の取引事例は個人情報がわからない形で国土交通省が公表しています。「土地総合情報システム」の「不動産取引価格情報検索」から閲覧可能です。実際の成約結果ですので、信頼性は高いですが、調べたい場所での取引が公表されているとは限らない可能性があります。
参考になるかどうか判断が難しいため、専門家などの知見が必要となります。
固定資産税評価額を参考にする方法
この方法は現在所有している土地の相場を調べる場合に使えます。市町村から送付される固定資産税納税通知書に添付されている課税証明書に「価格」または「評価額」あるいは「固定資産税評価額」と記載されている欄があります。この欄を使用し土地の相場の目安を算出します。
土地の相場の目安は「固定資産税評価額」÷0.7となります。
相続税路線価を参考にする方法
相続税路線価は国税庁のホームページで見ることができ、特徴としては、相続税路線価は道路ごとに細かく決められています。そのため、調べたい場所の価格をよりピンポイントに算出することができます。
土地の相場の目安は相続税路線価÷0.8となります。
地価表示価格を参考にする方法
国土交通省のサイト「土地総合情報システム」をクリックして住所検索をします。住所で絞ったら、「地図で確認する」をクリックすると、地図上で地価公示価格を確認することができます。ただし、地価公示価格は適正価格で取引を行えるように公的に示された価格ですが、実際の相場は上下に幅があります。身近な例では、近接したエリアでも大通り沿いと裏通りでは相場が異なります。
相続した土地の相続税評価額の調べ方
ここでは相続不動産の土地評価額の調べ方をご紹介します。
実際に相続した土地の「相続税評価額」を求める計算方法は2通りあり、路線価が決まっている地域のとちなら路線価方式、路線価がない地域のとちは「倍率方式」で計算します。
路線価方式での調べ方
路線価方式は、路線価が定められている地域の評価方法です。路線価とは、道路に面する標準的な宅地の1平方メートル当たりの価格のことで千円単位で表示しています。
倍率方式での調べ方
倍率方式とは、路線価が定められていない地域で、該当地域の役所が定めた固定資産税評価額に一定の倍率をかけ合わせて評価額を算出する方法を言います。実際に算出するためには固定資産税評価額と倍率を調べておく必要があります。まず、被相続人の死亡年での固定資産税評価額を把握します。固定資産税評価額は、毎年郵送されてくる「納税通知書」や市区町村役場の窓口で調べることができます。次に、評価倍率については、国税庁のHPで地域ごとに確認することができます。
相続した土地と通常の土地での調べ方の違い
相続した土地と通常の土地での土地の評価額の調べ方は、土地の用途によって異なります。
土地の価格には地価公示価格、実勢価格、相続税路線価、固定資産税評価額の4種類がありました。
土地を相続した場合、その土地をどう活用するかによって価格や価格の調べ方が異なっていきます。例えば、土地を相続することで相続税がかかるため、そのための計算には相続税評価額が使われます。また、相続税と同時に土地には固定資産税や都市計画税、その他各種税金がかかるため、それら税金の計算には固定資産税評価額を知る必要があります。
一方で、相続した土地を売りたいといった場合、その土地が相場いくらくらいなのかを知るには地価公示価格や、取引額である実勢価格を参考にします。
土地の所有者の調べ方は?
土地の所有者の調べ方も併せてご紹介します。
土地所有者は登記情報でわかる
土地や家、建物、マンションなど不動産の所有者は法務局にある登記簿の登記記録で知ることができます。登記簿は一般に公開されていて、地方の法務局の営業時間であれば閲覧可能です。
土地所有者の調べ方
土地所有者は法務局の不動産登記部門で調べることができます。
ご自身のみで調べることもできますが、初めての場合は管轄法務局の係員さんに調べたい土地の住所を伝え、登記事項証明書を取得するのがよいでしょう。登記事項証明書は登記簿謄本をデータ化したものなので、その土地の所有者をふくめた様々な情報がわかるはずです。